5月27日(土)14時〜18時まで4時間をかけて、講師に植松侑子さんをお招きし、
【舞台制作者向けハラスメント防止講習会】を実施しました。
植松さんが基本的なことからアートの現場に特有のことまでたっぷり教えてくれました。
全てはとてもまとめきれませんが、たとえば、こんな内容がありました。
◆仕事を行なう場所の延長線上は全て「職場」に該当するので、移動中や、打合せや稽古後の飲み会もハラスメントが起きてはならない「職場」。プライベートだからと切り離すことはできず、「ここから先は無礼講」は存在しない。
◆舞台芸術制作現場でのハラスメント防止3点セットは、
①ガイドラインの作成
②稽古のなるべく早い段階でのハラスメント防止研修
③相談窓口の設置
→ 傷ついた人の傷はなくならないので、起きてからでは遅い。
◆「作品のために必要」「役者なんだから当然」という考え方は根本が間違っている。
「作品ありきで人がいる」のではなく、「まず人がいて作品をつくっている」ことを忘れずに。
◆「心理的安全性」の高いチームはすぐれた成果をおのずと生み出す。
複雑な協働、チームで成果を上げようとするとき、「心理的安全性」が全ての土台になる。
暴言は、言われた相手、グループ全体、第三者の全てに大きな被害を与える。
◆誰にでもありうる無意識のハラスメントに注意しなければならない。
「相手の成長のため」「組織のため」「自分も経験してきたことだから」では正当化できない。
◆自他の境界線をしっかり引いて、尊重することが大切。
年代間の温度差はあるが、せめて今日からは、誰も傷つかない環境を作ることができるはず。
◆アクティブバイスタンダー(行動する傍観者)になることも大切。
被害者はその瞬間に冷静に行動できず、加害者は無意識のことが多いため。
◆特権に自覚的になろう。特権で得たものは、誰かのために正しく使うこと。
その他、後半は「それでももしハラスメントが起きてしまったら?」という想定で、相談の受け方や、その先の流れなどについて学び、質疑応答も実施しました。
なはーとでは、まずは自主事業の取組みとして、現代演劇を中心としたクリエーションの場において、参加するかたや観客のみなさんが差別やハラスメントを気にすることなく、安心して創作に取り組める、観劇できる環境を大事にしたいと考えています。
そのため、こうした学びの時間を公開し、県内の舞台芸術に関わる皆さんと共有していきたいと考えています。
ぜひ、皆さんも「こんな講習会をやってほしい」「もっと●●について知りたい」などご要望やご意見があればお寄せください。