『ある稽古場の1日』
稽古場日記を書く詩人の朝は、そんなに早くない(この日は9時起きとか)。
まずは車でなはーとへ向かう。
着いたら駐車場のインターフォンを押し、車のナンバーを警備員さんに告げる(なはーとには、一般駐車場がなく、関係者駐車場に車を停めることになっている)。すると、警備員さんから駐車ナンバーが告げられる。「それでは45番に停めてください」というふうに。
稽古場であるなはーと三階の「大スタジオ」へ。
靴を脱ぎ、スリッパに履き替え、スタジオに入る。(ちなみに、稽古場は、入ったときはすこしだけ暑く感じて、居るうちに徐々に涼しくなってくる)。
挨拶もそこそこに自分の位置につく。舞台に向かって右斜め奥の席(うん、見やすいし、写真も撮りやすそう)。
この日は、はじめての通し稽古ということで、稽古場の雰囲気も、いつもよりか引き締まっていて、稽古場にいる人たちのテンションも高い。舞台監督、照明、音響、衣装の人たちもいて、まさに勢揃いといった風情。
「まさに勢揃いといった風情」
10:00からは、主に場面転換の際の動きの確認。どういう合図で、はけるか、など。
11:10からは、いよいよ『花売の縁オン(ザ)ライン』初の通し稽古が始まる。
場面が終わるごとに止めながら、タイミングを調整する(音楽の入り方や止め方、道具の運び方、役者の移動の細かい動き等々)。
通しで見ると、踊りや音楽がより効果的になっていて、話の流れにメリハリが出ていた印象。
変に途切れることなく通しは無事に終わり、おもわず拍手が起こる。
「jujumoさんの素敵な音楽」
「賑やかなシーン!けっこう好き」
13:40からは、お昼休憩。近くの喫茶店へ(なはーと周辺には飲食店が多くて助かる。めちゃんこ余談だけど)。
14:10からは、通し稽古の際に「気になった箇所」を、兼島さんと白神さんが述べてゆく。
主に場面ごとのセリフや動きについて(目線・動線の変更、セリフの抜けの指摘、ジャスチャーのやり方、舞台へ出て来るタイミング、役者の立ち方や座り方、掛け合いのテンポ、言葉のニュアンス、その演技をするときの感情の説明等々)。
他にも演出家のふたりから、衣裳のこと、音楽の尺、SEの有無・タイミングついての相談がそれぞれ、衣裳のAcoさん、音楽のjujumoさん、音響の屋比久さんとなされる。
15:00稽古終了。
以上、基本的に稽古は5時間だが、この日は15:00から衣裳パレードがあり、役者さんたちが衣装を着ると、雰囲気がまたがらりと変わり、グッと本番のイメージがしやすくなった。
「まるで現代アートのような謎の装置 Part2」
□□プロフィール□□
奥間 空[おくま・そら]…詩人。1992年生まれ。沖縄県嘉手納町出身。二十代後半より、詩や小説などの執筆活動を始める。受賞歴に第15回おきなわ文学賞詩部門一席など。近年は文芸だけでなくアート作品の制作にも着手している。
https://twitter.com/okuma_sora
□□公演概要□□
「出会い」シリーズ②
白神ももこ×兼島拓也『花売の縁オン(ザ)ライン』
日程:11月30日(土)14:00開演、19:00開演/12月1日(日)14:00開演
会場:那覇文化芸術劇場なはーと(1階)小劇場
料金:一般4,000円/U24(24歳以下)2,000円/18歳以下:1,000円/障害者・介助者:2,000円
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