公演の見どころ紹介(^^)/【琉球諸島風物詩集ー惣之助の詠んだ沖縄ー】(下)

  1. 公演の見どころ紹介(^^)/【琉球諸島風物詩集ー惣之助の詠んだ沖縄ー】(下)

Columnコラム

 「琉球諸嶋風物詩集」公演には魅力的な出演者が顔をそろえている。
 9月7、8日に登場の東京大衆歌謡楽団は昭和の流行歌を歌い継いでいるユニットだ。2009年に結成され、街頭演奏をベースに中高年から若い層までファンを広げてきた。沖縄での初ライブは2013年といい、以後毎年のように訪れ、沖縄コンベンションセンター劇場棟で公演を果たすほど支持を得ている。現在のメンバーは髙島孝太郎(歌唱)、雄次郎(アコーディオン)、龍三郎(ウッドベース)、圭四郎(バンジョー)の4兄弟。昨年、なはーとで開催されたライブでも、往年の名曲の世界に聴衆を誘っていた。特に「上海帰りのリル」の作曲者が沖縄出身の渡久地政信だと紹介された時には客席との親近感がいっそう深まったように感じられた。佐藤惣之助作詞の流行歌では「美わしの琉球」が沖縄では広く愛唱されている。「八重の汐路に 朝虹たちて」の冒頭から会場を一体にしてくれるだろう。

7・8日出演:東京大衆歌謡楽団
 
 7日の「惣之助の見た組踊」に出演する神谷武史さんと佐辺良和さんは沖縄県立芸術大学の学生時代から将来を嘱望され、40代を迎え第一線で活躍している。「琉球諸嶋風物詩集」収録作品の朗読は、日本人の女性作曲家として初めて交響曲を作曲し宮古島出身の金井喜久子の再評価活動にも取り組む宮城さつきさん。企画者でもある仲村渠達也さんの古典音楽演奏も聞き逃せない。
 
 8日は東京大衆歌謡楽団の歌に加え、川崎沖縄芸能研究会が「惣之助の見た琉球舞踊」を披露する。神奈川県の川崎は沖縄からの移住者が多く、芸能で故郷を偲ぶ心を慰めた。1950年に研究会が結成され、現在約340人の会員がいるという。会長で国の重要無形文化財「組踊」と「琉球舞踊」の保持者である名嘉ヨシ子さんは昨年、横浜市の最高顕彰「横浜文化賞」を受賞している。“里帰り”の舞台に注目したい。また、琉球芸能公演の司会でおなじみの崎山律子さんによる惣之助の詩「石敢當」と「宵夏」、喜屋武靖監督の「佐藤惣之助と沖縄」の映像(抄)も上映される。

8日出演:川崎沖縄芸能研究会

 7日には琉球大学の新城郁夫教授や歌人の名嘉真恵美子氏、8日は喜屋武監督や名嘉会長などによる対談もあり、佐藤惣之助の世界をより深く知る機会になるだろう。(執筆:真栄里泰球)

公演情報はこちら琉球諸嶋風物詩集ー惣之助の詠んだ沖縄ー

最終更新日:2024.09.05

佐藤惣之助 , 琉球諸島風物詩集 伝統芸能 , 民俗芸能 , 音楽