なはーとベイビーシアタープロジェクトレポート なはーとの巻「みんなのかたち モーイモーイあしびー」VO4

  1. なはーとベイビーシアタープロジェクトレポート なはーとの巻「みんなのかたち モーイモーイあしびー」VO4

Columnコラム

那覇文化芸術劇場なはーとでは、アートを通してあかちゃんと大人の新しい関わり方を発見する「なはーとベイビーシアタープロジェクト」を今年からはじめました。このプロジェクトでは、0歳~2歳のあかちゃんと、あかちゃんに関わるすべての大人たちが、お互いに心地よく影響し合える空間を、時間をかけてつくっていきます。
※ベイビーシアターとは、あかちゃんとおとながともに参加し体験する、新しい舞台芸術です。

12月からはなはーとの小スタジオを舞台に、全5回のワークショップを通してみんなで「ベイビーシアター」をつくります。

前回に引き続き今回は、2025年1月25日(土)に開催した4回目のワークショップの様子をお届けします。
ワークショップの概要はこちら

「みんなのかたち モーイモーイあしびー」4回目

前回のワークでは、周囲の動きに注目したり、テーマに沿った音に合わせて一人ひとりが自由に表現しました。今回は来週のおひろめ会に向けて、パフォーマンスにさらに磨きをかけるため、参加者同士でアイディアを出し合って創作するグループワークを行います。

アイスブレイクはアイディアの宝庫

今までワークの開始前に行うウォーミングアップとして、すべての回で様々なアイスブレイクを実施。アイスブレイクは、場の緊張を和らげるだけでなく、参加者のアイデアを引き出す良いきっかけにもなることがわかりました。

今日は、輪になって「モ・ハイ・バー(ベトナム語の1・2・3)」という言葉と動きを、アイコンタクトで順番に回していくコミュニケーションからスタート。保護者が何度も繰り返していると、あかちゃんも自分のできる範囲で音・動きを真似ている様子が見られました。もともと繰り返し遊びの好きなあかちゃんは、とても楽しそう!

続いてウォーキング・ストップでウォーミングアップ。即興演奏に合わせて、好きな方向に歩いたり、声掛けでストップしたり。
「次は声かけはしません。周りの空気を意識して皆で同じ動きをしてみましょう。」
アーティストの呼びかけに、自分以外の動きを観察すると、「歩く」という動作ひとつとっても様々で、改めて自分にとっての当たり前が他者とは違うということに気づかされます。また、軽快なテンポの時には両手を振りながら歩いたり、緩やかな音楽の時には爪先立ちでそっと歩いたり、音のリズムによって保護者は、とても自然に動きを変化させていました。

 

最後に、自分の身体を思い切り伸ばす感覚に挑戦。特に決まったかたちはなく、思うまま手足を広げ上下左右に伸びてみます。みんな気持ちよさそう。
この間、保護者から離れたあかちゃんもいましたが、落ち着いて過ごしていました。むしろ、不思議な動きを繰り返す大人にあかちゃんも興味深々。あかちゃんと目線の高さを合わせて、非言語コミュニケーションを楽しみます。

グループで表現をブラッシュアップ

ワークの前半では、本日のテーマである「グループワーク」に取り組みました。海、空、宇宙をテーマに、音に合わせた約1分間の動きについて、意見を出し合って創作します。

  • 海チーム

  • 空チーム

  • 宇宙チーム

アーティストは各グループを回りながらアイディアのフォロー。サポーターは保護者が話し合いに集中できるように、あかちゃんの支援をしながらも保護者と一緒にアイディア出しにも参加しました。イメージに合う音や楽器の希望なども、アーティストと一緒に調整していきます。

ある程度形になったところで、音源に合わせて発表タイム。
各グループがイメージする海・空・宇宙がひとつのストーリーとしてつながりました。動きに声や楽器を融合させたりと、どのチームも短い時間でつくったとは思えない素晴らしい表現力!緊張と高揚感に包まれる中、より一体感のある空間がうまれていました。

次回はいよいよおひろめ会!

休憩を挟んだ後半では、アーティストとともに流れを確認した後、本番同様の形式でリハーサルが行われました。
アーティストたちが試行錯誤を重ねながら準備をしてきたことと、保護者とあかちゃんそれぞれによって生み出された多様な表現が融合。ひとつの作品として形を成したことは、まさに唯一無二の体験です。

ワークショップの後には、毎回参加者全員で感想をシェアしていますが、達成感からか、より和やかで開放的な雰囲気が漂っていました。
「終わるのが寂しい」「子同士が仲良くなることで、自然と他の親御さんとも話すことができた」というコミュニティに対する愛着や影響、「子のためにと思って参加したが、いつの間にか自分が無心で楽しんでいた」という自身の関わり方の変化に対する気づきに、共感する参加者のみなさん。
あかちゃんと大人がともに参加する作品づくりは、アーティストにとっても初体験。はじめは不安があったものの、回を重ねるうちに参加者の自然な表現や素直な反応が見られて、「これでいいんだ」という感覚になったという言葉が印象的でした。

最終回のおひろめ会は初めての親子も参加、どんな発見があるのでしょう。「みんなのかたち モーイモーイあしびー」最終回のレポートも、どうぞお楽しみに!
 

ライター:普久原絵里子

最終更新日:2025.02.28

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