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  1. KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』

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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』
■本公演は当日券含めて、チケットはすべて完売いたしました■
 

沖縄在住の若手劇作家・兼島拓也が書き下ろし、沖縄に出自を持つ田中麻衣子が演出を手掛ける『ライカムで待っとく』。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュースにより本土復帰50年に横浜で上演され、大きな話題となりました。「沖縄の問題」はなぜ「日本の問題」として語られないのか…本作は神奈川・京都・福岡を巡り、ツアー公演の終着点・沖縄でみなさんと問い直します。

【あらすじ】
雑誌記者の浅野は、60年前の沖縄で起きた米兵殺傷事件について調べることになったのだが、実はその容疑者が自分の妻の祖父・佐久本だったことを知る。調査を進めながら記事を書くうち、浅野は次第に沖縄の過去と現在が渾然となった不可解な状況下に誘われ、「沖縄の物語」が育んできた「決まり」の中に自分自身も飲み込まれていく……。

出演


中山祐一朗 前田一世 佐久本宝 蔵下穂波
小川ゲン 神田青 魏涼子 あめくみちこ




※インタビューは2022年初演時のものです

【「ライカム」とは】
かつて沖縄本島中部の北中城村比嘉地区に置かれていた琉球米軍司令部(Ryukyu Command headquarters)の略。現在「ライカム」は地名として残っている。司令部があった近辺の米軍関係者専用のゴルフ場の跡地には、2015年「イオンモール沖縄ライカム」がオープン。地元民のみならず県外からの観光客も多く訪れる場所になっている。

【「米兵殺傷事件」とは】
1964年8月16日未明、宜野湾市普天間の飲食街周辺で、米兵2人と数人の沖縄人が乱闘し、米兵1人が死亡、1人が重傷を負った。沖縄青年4人(2人は徳之島出身)が普天間地区警察署に逮捕され、傷害致死罪で米国民政府裁判所に起訴された。事件は陪審に付された。
沖縄人に重罪を課そうとする米国人らが陪審員の多数を占め、評議は4人に不利な流れとなったが、無罪を主張する沖縄人陪審員・伊佐千尋の粘り強い説得で形勢は逆転し、傷害致死罪については無罪、傷害罪では有罪の評決に至った。しかし、同年11月の判決では3人に懲役3年の実刑(1人は猶予刑)という初犯としては重い量刑が下った。
殺傷事件と沖縄住民への差別意識が渦巻く陪審評議、その後の判決は米統治下に置かれた沖縄の過酷な現実を浮き彫りにしている。

兼島拓也

1989年、沖縄県沖縄市出身。
2013年に演劇グループ「チョコ泥棒」を結成し、脚本と演出を担当。沖縄の若者言葉を用いた会話劇を得意とし、コメディやミステリを軸としたオリジナル脚本の上演を行う。また、琉球舞踊家との演劇ユニット「玉どろぼう」としての活動も行う。脚本家として、NHK−FMシアター『ふしぎの国のハイサイ食堂』の脚本を担当。2018年、『Folklore(フォークロア)』で、第14回おきなわ文学賞シナリオ・戯曲部門の一席を受賞。その他2作品で同賞の佳作受賞歴がある。『ライカムで待っとく』が第30回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞、第26回鶴屋南北戯曲賞および第67回岸田國士戯曲賞で最終候補となる。


【コメント】
この作品を再演することができ、とても光栄です。初演から2年、ウクライナでの悲劇は未だ収束せず、あらたにガザ地区でも見るに堪えない事態が勃発し、心が苦しくなるばかりです。 
私が住むここ沖縄は、相変わらず「決まり」が覆ることもなく、粛々と、そして堂々と、物事は進んでいきます。先日屋久島沖でオスプレイが墜落した後、同じ機体たちは1週間ほど何事もなく飛び続け、休憩に入りました。この文章が公開される頃には、優雅に、気持ちよく飛び回っているでしょう。 
本土復帰50年というお祭りも終わり、変わらず嫌な方へと変わり続ける世界の中に、この作品が何かしらの影響をもたらしてくれたらと願いますが、まあ、どうなんでしょう。

演出

田中麻衣子

兵庫県宝塚市生まれ。Théâtre MUIBO主宰。日本大学芸術学部演劇学科卒業。
最近の演出作品に『七本の色鉛筆』、『パレードを待ちながら』、『A New Musical ゆびさきと恋々』、『地熱』、『怪物/The Monster』、『どうぶつ会議』、『Shakespear’s R&J』、『トミイのスカートからミシンがとびだした話』、『血の婚礼』他。2014年文化庁派遣新進芸術家制度でロンドンにて研修。



【コメント】
沖縄本土復帰50年の冬に上演した『ライカム〜』の再演です。兼島さんのセリフを先頭に、皆で、一層、熱気を帯びたものにしたいと思っています。歌って踊ってお酒を飲んで三線弾いて、集まっておしゃべりすることが大好きな登場人物たちを、ぜひ観に来てください。沖縄と神奈川、1964年と2024年、あっち側とこっち側、、突きつけられる現実を、劇場で体感してください。

スタッフ

美術:原田愛 照明:齋藤茂男 音楽:国広和毅 音響:徳久礼子 衣裳:宮本宣子 ヘアメイク:谷口ユリエ 演出助手:戸塚萌 舞台監督:藤田有紀彦

掲載情報

1/25 ステージナタリー|「ライカムで待っとく」再演が4都市ツアー、新キャストに中山祐一朗・佐久本宝
1/25 エンタメ特化型情報情報メディア SPICE|沖縄在住の若手劇作家・兼島拓也 作、田中麻衣子演出の話題作『ライカムで待っとく』再演が決定
1/25 沖縄タイムス|「ライカムで待っとく」沖縄で再演 軽快なミステリーに込められた沖縄と日本の関係 6月22・23日になはーとで
1/25 ぴあニュース|KAAT『ライカムで待っとく』再演決定 大千穐楽は沖縄で
2/16 沖縄タイムス|ライカムで待っとく 6月22・23日県内再演 なはーと
3/9 ローチケ演劇宣言!|KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』|兼島拓也・中山祐一朗 インタビュー
4/1 カンフェティ|気が付くと物語に呑み込まれていく話題作、堂々の再演! 交わされるウチナーグチに漂いながら、いつの間にか沖縄が抱える「きまり」に向かい合う
5/17 沖縄タイムス|「ライカムで待っとく」再演
5/17 琉球新報|復帰50年過ぎてなお 演劇「ライカムで待っとく」、来月22、23日なはーと 変わらない沖縄問う 兼島(脚本)、田中(演出)に聞く 新キャストに県出身・佐久本宝
5/17 ラジオ沖縄「SPLASH!!!」|佐久本宝さんインタビュー 
5/18 読売新聞(九州版)| 沖縄の歴史や基地問題、観客を当事者にする仕掛け…劇作家・兼島拓也さん「ライカムで待っとく」
5/22 おけぴ感激!観劇レポ | KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ライカムで待っとく』田中麻衣子さん(演出)、あめくみちこさん対談
5/24 沖縄タイムス | 俳優として「沖縄伝える」 「ライカムで待っとく」出演 佐久本宝が意欲 県出身25歳、作品研究に力
5/30 琉球朝日放送 | 特集 沖縄と日本の在り方を問う 舞台「ライカムで待っとく」
6/14 沖縄タイムス|絶望で止まった時間 なぜ? 寄稿・森田笑母(俳人) 演劇「ライカムで待っとく」神奈川公演
6/15 朝日新聞 夕刊 |「沖縄」映す戯曲、常にゆらぐ自分織り込んだ 劇作家・兼島拓也さん


★★なはーとグルっとまーい対象公演★★
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このページについてのお問い合わせ

那覇文化芸術劇場なはーと
電話:098-861-7810(受付時間10時~19時)*第1・第3月曜日(休館日)を除く
  メール:nahart@city.naha.lg.jp