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  1. 知念正真・作『喜劇 人類館』

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知念正真・作『喜劇 人類館』

知念正真・作『喜劇 人類館』

悲劇は覚めた視点で相対化することによって喜劇たらしめることができるのだ。
そして、現在特にそれが必要なのだと思う。
「際限のないリフレイン」を断つ、新たなるドンデン返しのために。 (知念正真)


※11月6日(日)公演は前売り完売につき、当日券の販売はございません。予めご了承ください※

那覇文化芸術劇場なはーとでは、沖縄「復帰」50年特別企画として、作・知念正真「喜劇 人類館」を上演いたします。
 
沖縄が経験してきた様々な歴史の場面を「人類館」の中で白昼夢のように次々と見せるこの作品は、今なお表現のかたちとして新鮮でありつづけています。
 
作品を受け継ぎ知念正真を誰よりも知る娘の知念あかねと、青年劇場での豊富な経験を持つ佐藤尚子
()の共同演出で、新たに立ち現れる沖縄演劇の傑作にご期待ください。
 

知念正真

演出

佐藤尚子、知念あかね

企画監修

上江洲朝男、金 誾愛

キャスト

今 科子、仲嶺雄作、西平寿久

人類館(じんるいかん)とは…

1903年、大阪で開催された第5回勧業博覧会会場近くの見世物小屋で、「学術人類館」と称し、様々な地域の人と一緒に琉球人も展示されるという「人類館事件」が起きた。『人類館』はこの事件をモチーフに、皇民化教育、沖縄戦、米軍統治とベトナム戦争、本土「復帰」も織り込み、沖縄が辿った歴史を鋭い風刺で描き出す。1976年に初演され、78年には「演劇界の芥川賞」と呼ばれる岸田戯曲賞を受賞した。

プロフィール

【作】
知念正真(ちねん・せいしん)1941~2013
劇作家。沖縄市生まれ。コザ高校卒業後、東京の二松学舎大学に入学するも中退。61年に劇団青年芸術劇場に研究生として入団、63年に退団、帰郷。演劇集団「創造」にて、俳優・演出家として活躍。『人類館』によって沖縄の作家として初めて岸田國士戯曲賞を受賞したのちは、基地の街コザ(沖縄市)に根をおろした人間の悲喜劇を書き続けた。

【演出】
佐藤尚子(さとう・たかこ)
栃木県足利市出身。俳優、演出家。1981年より青年劇場に入団。藤井ごうや鵜山仁など演出家の舞台に数々出演し、小学校・高校でのワークショップでも講師を務める。また、沖縄をテーマにした作品の創作にも数多く関わる。主な出演作品『翼をください』(作・演出:ジェームス三木)、『キジムナー・キジムナー』(作:高橋正圀、演出:松波喬介)、『普天間』(作:坂手洋二、演出:藤井ごう)、『眞理の勇氣-戸坂潤と唯物論研究会』(作:古川健、演出:鵜山仁)など。

知念あかね(ちねん・あかね)
沖縄県那覇市出身。演奏家、音楽講師。高校・大学で音楽を学び、演奏活動と指導等、長年クラシック音楽の普及に携わる。2013年に亡くなった父知念正真の作品が廃れてしまう事を危惧した愛好家からの熱い要望を受け、20年「AKNプロジェクト(AKNP)」を発足し副代表に就任。知念作品を中心に戯曲、音楽、文学等の芸術活動を通して「沖縄の若年層が楽しめる舞台作り」をテーマに活動。21年には喜劇「人類館」公演を初プロデュースし無料配信を行う。再生回数は5日間で一万回を超え、大きな話題となった。

【キャスト】
今 科子(こん・しなこ)

沖縄県北谷町出身。青年劇場入団を経て、現在は東京・沖縄を中心に映像作品や舞台へ出演、沖縄ことばの指導にもあたる。主な出演作品に映画『島守の塔』、NHKドラマ『返還交渉人~いつか、沖縄を取り戻す~』など。沖縄ことばの指導には定評があり、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』(2022年前期)や舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』(演出:栗山民也)など映像や舞台、ラジオドラマなど幅広く活躍している。母は演劇集団創造で活動し、『人類館』初演時に「陳列された女」を演じた今秀子。

仲嶺雄作(なかみね・ゆうさく)
1976年、沖縄県那覇市出身。96年演劇集団創造『仲村渠鉄男くんのパーマネントバケーション』に出演。03年には劇団太陽(ティーダ)『The Keystone of the Pacific』でエディンバラ国際演劇フェスティバルに参加。10年には古堅晋臣と演劇ユニット「ukulelebowl(ウクレレボウル)」を始動。17年わが街の小劇場の月1企画にて、制作・演出・出演・受付を一人で行う「挑む!」を決行するなど沖縄県内で勢力的に演劇活動を続ける。さらにCorRich舞台芸術まつり!2022でグランプリを受賞した『9人の迷える沖縄人』には記者役で出演。

西平寿久(にしひら・としひさ)
1983年、沖縄県那覇市出身。友人に誘われて参加したオーディション(名古屋)からドラマに出演したことがきっかけで俳優を志す。東京での活動中に沖縄公演を行ったことから、沖縄に戻ることを決意し、2014年劇団「リバースザワールド」を旗揚げ。劇団での主な演出・出演作品に『心の花』『オカマバーTENDER』など。『島守の塔』(2022年)では舞台版と映画版の両方に出演。テレビドラマはQAB『パナウル王国物語』、RBC『尚円王』など。俳優のかたわら、那覇市で「壺屋演劇場かさね」を運営し、沖縄の演劇界の間口を広げている。

スタッフ

演出補佐・舞台監督:加納朋之
方言指導:花城清長
音響:當眞 彰
照明プラン:棚原栄作(㈱エムエルスタジオ) 
照明オペレーター:足立信明
制作助手:喜舎場 梓
演出助手:上地竜司
宣伝美術:アイデアにんべん 
協力:青年劇場、アニマ・エージェンシー、劇団リバースザワールド、TEAM SPOT JUMBLE、BOOK Cafe&Hallゆかるひ、アトリエ銘苅ベース

主催:那覇市
企画制作:那覇文化芸術劇場なはーと、AKNプロジェクト

掲載情報

●10/26 琉球新報|「喜劇 人類館」世代つなぎ公演
10/27 HUB沖縄|差別を考えるための“起爆剤”に 11月3日から『喜劇 人類館』
11/1 毎日新聞|沖縄の人を見せ物に…「人類館事件」題材の戯曲、8年ぶりリアル上演
11/1 沖縄タイムス|「喜劇 人類館」なはーとで3日から