公演・展示情報

  1. 戦後80年特別企画 AKNプロジェクト 喜劇『人類館』(2025年新演出版)

戦後80年特別企画 AKNプロジェクト 喜劇『人類館』(2025年新演出版)

戦後80年特別企画 AKNプロジェクト 喜劇『人類館』(2025年新演出版)

なはーとでは、本土復帰50年の2022年に知念あかねによるAKNプロジェクトとの共同制作により、喜劇『人類館』を上演し、大きな話題となりました。戦後80年を迎えるにあたり、今秋ふたたび、新たな演出による喜劇『人類館』を上演いたします。
演出には、前回に引き続いて知念正真の娘である知念あかね。さらに、本作を次世代へ伝え若い感性で表現すべく、共同演出に「演劇ユニット多々ら」の新垣七奈を迎え上演します。
また、本作は国際芸術祭「あいち2025」との共同制作でもあり、国際芸術祭「あいち2025」パフォーミングアーツ部門での上演も同月で決定しており
沖縄から愛知、世界へと繋がります。

◆人類館(じんるいかん)とは…
1903年、大阪で開催された第5回勧業博覧会会場近くの見世物小屋で、「学術人類館」と称し、様々な地域の人と一緒に琉球人も展示されるという「人類館事件」が起きた。『人類館』はこの事件をモチーフに、皇民化教育、沖縄戦、米軍統治とベトナム戦争、本土「復帰」も織り込み、沖縄が辿った歴史を鋭い風刺で描き出す。1976年に初演され、78年には「演劇界の芥川賞」と呼ばれる岸田戯曲賞を受賞した。

知念正真 ちねん・せいしん
【プロフィール】

劇作家。沖縄市⽣まれ。コザ⾼校卒業後、東京の⼆松学舎⼤学に⼊学するも中退。その後、劇団⻘年芸術劇場に研究⽣として⼊団、1963 年に退団し、帰郷。コザを拠点に活動していた演劇集団「創造」に加わり、俳優・演出家として活躍。72 年には『ジェット機は南の空を』を執筆し、劇作家としても活動を開始。76 年に第⼆作となる『⼈類館』を発表し、「創造」で上演。1903 年の⼤阪・第 5 回勧業博覧会会場近くで“⼈間の展⽰”を⾏った「学術⼈類館」に発する「⼈類館事件」を出発点に、⽇本語、沖縄⼝、沖縄⼤和⼝を織り交ぜ、場⾯展開にも実験性を持たせた本作は、沖縄演劇史にとって記念碑的な作品となった。初演後、戯曲は「新沖縄⽂学」に発表されたのち、77 年に雑誌「テアトロ」に掲載され、78 年には沖縄の作家として初の岸⽥戯曲賞を受賞した。その後も基地の街コザを舞台にした悲喜劇『コザ版どん底』『コザ版ゴドー』、ヤンバル(沖縄島北部)の希少動物と環境問題について考える『命かんぱ』、⻄表島の炭坑を舞台にした『幻の X 調査隊』など、沖縄の地から「⼈間」が抱える様々なテーマとメッセージを込めた作品を数多く残した。

演出

知念あかね ちねん・あかね
【プロフィール】

沖縄県那覇市出⾝。演奏家、⾳楽講師。⾼校・⼤学で⾳楽を学び、演奏活動と指導等、⻑年クラシック⾳楽の普及に携わる。2013 年に亡くなった⽗・知念正真の作品の継承のために 20 年に「AKN プロジェクト」を発⾜。知念正真の作品を中⼼に、戯曲、⾳楽、⽂学等の芸術活動を通して「沖縄の若年層が楽しめる舞台作り」をテーマに活動。21 年にコロナ禍で『喜劇・⼈類館』の配信上演をプロデュースし、22 年には那覇⽂化芸術劇場なはーとにて沖縄「復帰」50 年特別企画として上演した。


新垣七奈 あらかき・なな[演劇ユニット多々ら]
【プロフィール】

演劇ユニット多々ら主宰。高校から演劇を始め、2016年にユニットを結成。これまでのユニット公演ではすべての作品の演出を行う。演劇人コンクール2024にて奨励賞受賞。俳優として外部作品に多数出演。近年の主な出演作には、20年コロナ禍でオンラインの開催が話題となった九州・沖縄版『未開の議場』オンライン(作:北川大輔)や、21年神里雄大が演出した『琉球怪談』(原作:小河原猛、演出:神里雄大)、23年なはーとプロデュースによる出会いシリーズ①『声』(原作:ジャン・コクトー、演出:和田ながら)に出演している。

ドラマトゥルク

林 立騎 はやし・たつき[那覇文化芸術劇場なはーと]
【プロフィール】

翻訳者、演劇研究者。現在、那覇文化芸術劇場なはーと企画制作グループ統括。訳書にイェリネク『光のない。』、レーマン『ポストドラマ演劇はいかに政治的か?』(ともに白水社)。イェリネク作品の翻訳で小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞(2012年)。2005年より高山明の演劇ユニットPort Bに、2014年より相馬千秋のNPO法人芸術公社に参加。東京藝術大学特任講師(2014-17年)、沖縄アーツカウンシルプログラムオフィサー(2017-19年)、ドイツの公立劇場ドラマトゥルク(2019-21年)を経て、22年より現職。

出演

井上あすか、神田青、仲嶺雄作

【プロフィール】
井上あすか(いのうえ・あすか)
南城市出身。学生時代、同級生が舞台に立つ姿を観て感動し、芝居を始める。過去出演作に、わらび座『笑いはつづくGO ON!GO ON!』、特撮ドラマ『琉神マブヤ―』シリーズ、FODドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン』などがある。なはーとでは23年『ぼくはみんながだいすき』、24年『ゼチュアンの善人』、25年『花売の縁 オン(ザ)ライン』に出演。そのほか舞台衣装制作や、連続ドラマW『フェンス』、短編映画『おかあの羽衣』の方言指導も行っている。

神田 青(かみだ・せい)
「わが街の小劇場」で育ち、ラオス、タイでの活動を経て、『ギ兄弟3on3』(作・演出:パクファナム)にて、タイバンコク演劇祭(BTF2019)でBest International Performance Awardを受賞。主な出演作には、『ライカムで待っとく』(演出:田中麻衣子)、『霞色のライラック』(演出:米倉リエナ)、『ジョンマイラブ』(演出:横内健介)、『少年口伝隊1945』(演出:栗山民也)など。映像では、『逃走』(監督:足立正生)、『宝島』(監督:大友啓史)、『唐人街探索3』(監督:陳思誠)、TBS『クジャクのダンス誰が見た』や『おきなわテレビはじまりものがたり』、『阿麻和利the last hero』などに出演し、幅広く活動している。

仲嶺雄作(なかみね・ゆうさく)
1996年、演劇集団創造『仲村渠鉄男くんのパーマネントバケーション』 に出演。2010年には古堅晋臣と演劇ユニット「ukulelebowl(ウクレレボウル)」を始動。13年「わが街の小劇場」(那覇市)にて、月1公演等に参加。18年、利賀演劇コンクールに、わが街の小劇場のメンバーとして参加。三島由紀夫の「弱法師(よろぼし)」を上演。22年には沖縄・復帰 50 年現代演劇集 in なはーと「9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)」に出演。22年AKNプロジェクト喜劇『人類館』(演出;佐藤尚子、知念あかね)に陳列された男で出演。24年リーディング試演会『ゼチュアンの善人』では水売りのワン役。沖縄県内の小劇場を中心に活動を続ける。

スタッフ

舞台美術:佐々木文美 衣裳:藤谷香子 音響プラン:山口 剛[(合)ネクストステージ] 音響オペレーター:屋比久夏芽[(株)エスエルアイ] 照明:棚原栄作[(株)エムエルスタジオ] 演出助手:山本舞子 英訳:金城正樹 英語字幕オペレーター:比嘉啓和 大道具製作:(同)みやぎ大道具 舞台監督:津嘉山弘[月光道(合)]
イラスト:大白小蟹 宣伝美術:アイデアにんべん 制作:喜舎場梓、土屋わかこ、村上佳子


ヒアリングループ

★★なはーとグルっとまーい対象公演★★

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那覇文化芸術劇場なはーと
電話 098-861-7810[受付時間10:00~19:00※休館日(第1・第3月曜日)除く]
メール kikaku-nahart@city.naha.lg.jp